DOLCE&GABBANA と NATALEの夜と
ミラノにいた頃、いつもクリスマスシーズンに DOLCE&GABBANA の
ウィンドウディスプレイを見るのが好きだった。
どの店も、この時期は趣向を凝らして面白いのだけれど、彼らの店は伝統的なシチリアスタイルのデコレーションだ。生けてある花々も色が変わったり枯れていくまで飾られているし、それが退廃的で、豪奢でもあった。
NATALE -クリスマス- はイエスキリストの生誕日だ。
イタリアはほぼ全土がカトリック教徒であり、NATALEは本当に特別な行事だ。
みんなNATALEは家族と過ごす。そして、教会でのミサ。街にいる人はほとんど居ない。
NATALEは本当に祝福された日なのだ。
クリスチャンではなかった私は、パートナーと共に、共通の友人の家に招待されて、
いつもその日を過ごした。
食卓の祈り。プレゼントの交換、特別なご馳走。そして、深夜のミサ。
教会の前では雪が散らついていたが、熱くしたVINO ROSSOが振舞われていた。
この日はどこに居ても祝福の言葉がまるで雪のように降って来るし、賛美歌が聞こえてくる。
異教徒の私は、クリスチャンたちの温かさに触れ、排除されたマイノリティではなかった。
同じように祝い、食べ、喜び、教会に行った。
帰国して、パートナーと結婚し、パートナーの影響もありクリスチャンになった。
彼の家は代々続くプロテスタントのクリスチャンである。
イタリアでマイノリティだった私は、クリスチャンになったと言うのに台湾や日本では又、マイノリティになった。
でも、NATALEは違う。この地でもみな同じように祝い、食べ、喜ぶ。教会のミサに出席する人も少なくない。 NATALEが来る度にわたしはイタリアを想う。私たちに優しかった人たちのことを想う。
この祝福された日に祈ることは、私たちをそのような人間にさせて下さいということなのだ。
そういえば、私のパートナーがミラノの街中の教会で何度かDOLCEを見かけたことがあるらしい。
最初は意外だと思ったが、シチリアは敬虔なクリスチャンが多いから珍しいことではないのかもしれない。
そう思えば、あの伝統的なシチリアスタイルのデコレーションもNATALEを心から喜び祝う祝福された食卓に見えてくる。
DOLCE&GABBANA
http://www.dolcegabbana.it/
DUMAS DESIGN STUDIO CHINESE VERSION
2008.12.13 | コメント(4) | トラックバック(0) | イタリア
