Peter Walker 、豊田市美術館
大学時代、最も影響を受け夢中になったのはPeter Walkerの作品だった。
Peter Walker は、アメリカの代表的なランドスケープアーキテクトのひとり。
整然としたランドスケープに詩的な彫刻やオブジェを盛り込んだり、彼の独特な表現方法でもある噴水が配置されたりした、それらの作品は、本当に私を魅了した。
そして、飽きずに何度も作品集を眺め、模型を徹底的に真似したいと切望していた。
あの信じられないくらい美しい模型!
そしてそれらが現実になった写真集は、文字どうり擦り切れてしまった。
インテリアデザインの仕事をしている今でも、私が庭をデザインするときには彼の影響が出てしまう。それ位、私にとって彼の仕事は衝撃的だったのだ。
豊田市美術館が出来た時、目の前に広がる彼の作品に圧倒され興奮した。
その美しさと、リズム。整然とした配置。
マテリアルが組み変わるところや、彫刻群との交わり。
只、うれしくて興奮したことを覚えている。
建築家谷口吉生氏が設計された豊田市美術館は、氏の傑作としても名高く、20世紀美術とデザインの収蔵、現代美術の意欲的な企画展で全国的に知られている。
その豊田市美術館の学芸担当専門監である青木正弘氏は、私の高校の恩師でもある。
かつての同級生たちと美術館を訪ねた際にも、快く館内を案内してくださった。
その折に美術館の建築や、展示方法、ランドスケープ、そしてコレクションなど様々なことを教えていただいた。そのときの滑るように流れた時間、いくら話しても飽き足りないような賑々しい芸術の話等、もう何年も経つというのに忘れることができない。
尊敬する方が、私たちの遥か先を全力疾走されておられることに鼓舞されたのだ。
芸術や、美術デザインの道を進むものにとって、先の道は時に細く険しく闇夜の時もある。
でも、先を行くものが照らしてくれる素晴らしい仕事や、美しい作品などに励まされ、再び前を向いて歩いていくことができる。
わたしにとって、豊田市美術館はそういった励ましがもらえる場所でもあるのだ。
豊田市美術館
http://www.museum.toyota.aichi.jp/
青木正弘氏(学芸担当専門監)インタビュー 参考
http://apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/museum/toyota/interview.html
PWP Landscape Architecture
http://www.pwpla.com/prj.php
2009.01.31 | コメント(2) | トラックバック(0) | 建築
