スイミング・プール
風邪をひいた。滅多にないくらい正しい風邪のこじらせ方で、感心してしまうくらい。
微熱の頭は少し朦朧として、初夏のような台湾の天気のせいなのか、熱のせいなのか分からないくらい体が熱い。
扁桃腺もこれ以上ないくらいきれいに腫れて、食事ものどが通らないくらい。
窓から入ってくる風と、空気清浄機が、部屋の中を少しだけ快適にしている。
外はこれが2月などと考えられないくらいの晴天で、夏服でないともう熱い位だ。
こうやって平日にベッドで寝ていると、夏休みプールの後で疲れてお昼寝をしているみたいだ。
子供の頃よくプールへ通って日焼けで火照った肌で帰っては家の涼しい場所でお昼寝をした。
あの、とろとろした眠りにつく至福のときとよく似ている。喉の痛みが無いだけで。
今でも夏は必ずプールで泳ぐし、住んでいる所にもプライベートプールが付いている。
あの、たっぷり水がある感じが好きなのだ。
水面がきらきら光る感じや、風で風紋が立つところなんかが。
金沢21世紀美術館に行ったときに Erlich, Leandro のスイミング・プールという作品を見た。
原題はLa Pileta. 2001年のヴェネツィア・ビエンナーレで仮設的に発表され、現在では金沢21世紀美術館の光庭に恒久的に設置されている。
一目で虜になったくらい瑞々しい作品で、その涼たるや周囲の人々が絶えることの無いほどだった。
作品解説には、晴れた日には、波によって拡散された光がプールの底に揺らめき、水の中にいる感覚を味わうことができる。とあるが、正しくその通り。
プールの上からもまた面白い光景を味わうことができる。水の中で普通に生活をしている人を見ているみたい。
現実と非現実の間を見ているみたいな不思議なトリック。
朦朧とした今の感じに少し似ている。
金沢21世紀美術館
http://www.kanazawa21.jp/
Erlich, Leandro
http://www.leandroerlich.com.ar/
2009.02.25 | コメント(8) | トラックバック(0) | プライヴェート
