Bilbao Museo Guggenheim
写真を撮ったのはJOHN だが、わたしも BILBAO に滞在したことがある。
JOHN は、去年の夏に行ったのだけれど、わたしはもう少し前に一人でこの街を訪れた。
ミラノから飛行機で直ぐだった。
この街には、ともだちが住んでいて、案内してもらったのだ。
もっとも、しごく小さな街だったので、わたしは直ぐに一人で色々なところに出かけた。
パートナーと知り合う前まで私の旅は、いつも大体一人旅だった。
カメラは持たないので、殆んどの旅に写真はない。でも、昨日の事のように覚えている。
匂いで思いだす旅もあれば、色彩で思いだす旅もある。
BILBAOは、後者のほうだ。
どんよりと曇った空の色。それが、わたしの思いだすBILBAOの色だ。
着いた日から天気が余り優れなかったせいかもしれない。小雨がいつも降っていた。
街の印象は、良かった。木曜の夜から始まる彼らの週末は長い。夜通し絶えない人の群れ。
どこでも人で溢れかえっているクラブもバルも、賑々しく楽しげだった。
夜は明るく深く果てしない長さだ。
ホテルが一晩取れなかったのだが、朝まで問題なく過ごせたから、きっと彼らにとっては日常なんだろう。
一転、昼間の街では、川沿いの散歩が楽しかった。きれいな動線。
散歩の人々が心地よく過ごせるよう配慮されたデザイン。
地下鉄は、Norman Foster の設計だ。
その中で一際目立っているのが Bilbao Museo Guggenheim だ。
古い路地の隙間から初めてそれを見たときの衝撃は忘れられない。
わたしは、一人でその衝撃と感動にすっぽり包み込まれてしまった。
誰かに何かを伝えたいとも思ったのだが、言葉も見つけられなかった。
呆然と立ち尽くすのが精一杯だったのに、その後急激に愉快な気分が襲ってきた。
建築を見て、あんな風になったのは初めてだった気がする。
今まで信じて守ってきた美しさの基準が、その一瞬で覆された。
Frank O. Gehry の作品をそれまで、奇妙で奇抜な建築だと思ってきた。
わたしは知らなかったのだ。
知ったときにはもう、Deconstructivism のうつくしさに呑み込まれてしまっていた。
何かを見た後と前で、自分の中の基準がすっかりと変わってしまう経験をしたことが、ありますか?
わたしにとって、Bilbao Museo Guggenheim はそんな経験のひとつだ。
Bilbao Museo Guggenheim
VIRTUAL TOUR
2009.06.11 | コメント(4) | トラックバック(0) | プライヴェート
