CHRONOSWISS　OREA

わたしは、自分への贈り物というのをしたことがない。
でも、この時計だけは、別だった。

白く艶やかなエナメル文字盤と、クラッシックな手巻きムーブメント（マーヴィンをベースとした）、そして何よりこの端正な時計の顔を見たら、どうしても欲しくなってしまったのだ。
時計を集めたりはしていないので、少し迷ったのだが、それでも自分の時計だという確信があった。

パートナーの腕には少し小さな時計だが、これは男性用。
その堅さや、冷たさが一層自分らしいような気がした。

本来の鰐皮のストラップは外して、オーストリッチのストラップを使っている。
鋭利なブルースティール製の針と合わせた、フランス国旗みたいな青。

時計を愛するひとたちには、裏側も重要なようで、サファイアクリスタルごしの手巻きムーブメントは、この時計のひそかな自慢だ。

OREA　には美しきものという意味があるらしい。
この時計を眺めていると、確かにため息が出るのだ。